この記事は MySQL闇歴史 Advent Calendar 2022 の2枚目の19日目です。
知名度:★★☆☆☆
闇度 :★☆☆☆☆
見えないという意味での闇度:★★★☆☆
TL;DR
- リリースノートなどに現れる、整数8桁のバグIDのものは中の人にしか見られない
- 整数1~6桁のバグIDはbugs.mysql.comで検索できるかも知れない、ただしセキュリティイシューを除く
まずMySQLには2種類のバグトラッカーがあるらしい。
- みんなだいすき(?) bugs.mysql.com
- MySQLの中の人だけで使われているバグトラッカー(どっかのbugs.mysql.comのエントリでURLが一瞬出てた気がするけど見失ったし、どうせVPNとかないとアクセスできない)
bugs.mysql.comでない、中の人の使うバグトラッカーはIDが8桁(これは俺がMySQLに目覚めた時からそうだった)の整数だったので、俺は「8桁Bugs」と呼んでいる。
今が3400万くらいの数字になっているようなので、まだしばらくは8桁Bugsのまま呼び方を変える必要はありそうにない。
bugs.mysql.comに投稿した時に「Duplicate of 8桁Bugs」みたいな書き方をされたり、リリースノートのBugs Fixedの欄に8桁Bugsが現れたりする。
MySQL :: MySQL 8.0 Release Notes :: Changes in MySQL 8.0.31 (2022-10-11, General Availability)
GitHubのコミットメッセージにはよく8桁BugsのIDが記載されているので、リリースノートを見て8桁だなと思ったらGitHubの方から検索してみると再現条件などの情報が当たれるかも知れない。
https://github.com/mysql/mysql-server/search?q=34361827&type=commits
bugs.mysql.comのコミュニティレポートが8桁Bugsに転記されているフシもあって、自分のレポートした番号がリリースノートでは別の番号で記載されていることもたまにある。
これが「そもそもbugs.mysql.comじゃないバグレポート」。
コミュニティユースの bugs.mysql.com に投稿するとオートインクリメント(?)なバグIDが付与され、一部の人にだけ人気な Bug#2 Does not make Toast の1桁から最近では6桁の10万9千番台まで来ている。
6桁である Bug#100000 Provide an index hint that only affects the choice of index for NL join に到達したのは2020年の6月。
それまで5桁の期間が長かったので、俺はよく「5桁Bugs」なんて呼んでいた(今は「6桁Bugs」と呼んでいる)。
これが通常「見えるバグレポート」
その一方で、レポートする側が「明らかにこれは特別な権限が無くてもMySQLを落とせるバグ」みたいなものを衆目から隠すためにのフラグがある。
このフラグが立つと、かの有名(?)な You do not have access to bug #6桁Bugs
状態になる。レポートする本人が立てなくても、中の人が深刻度を加味してフラグが立てられることもある。
ちなみに、 You do not have access to bug
になっても、レポートした本人にだけは見えたりする。
https://bugs.mysql.com/bug.php?id=104784 (俺と中の人以外はこのURLが You do not have access to
になるはず)
これが「見えないバグレポート」。
6桁Bugsと8桁Bugsで探す場所が違ったり、探しても見えないものがあったりなので覚えておくと必要になった時に迷わない(諦めがつく)かも。